小児がんの子供たちの生活の場はベッドの上がすべてです。付き添いのお母さんは連日幅60cmの仮眠ベッドに泊まり込み、兄弟が居る場合は食事の用意のため病院から自宅に戻るという過酷な二重生活を強いられており、入院児の多くは「お家に帰りたい」と訴えるとか。
実はヨーロッパではすでに四半世紀前に(1988年)「病院のこども憲章」なるものが提唱され合意に至っています。
お家のような病院ができないか・・・日本で初めての小児がん専門治療施設「チャイルド・ケモ・ハウス」が神戸ポートアイランドに誕生し、その竣工記念シンポジウムとその後の施設見学に行ってきました。
これはその医療施設の平面図です。19のハウスユニット(19床以下なら診療所扱いとなる)がクラスター状に並んでおり、それぞれのハウスには、仕事帰りのお父さんが遅い時間にも立ち寄れるよう、直接出入りできる裏口が設けられています。どのハウスからも庭が見え、天窓からは空も見えるという、子供心に配慮した造りになっています。
施設のサインとその横に立つ楠木(くすき)院長。
駐車場から見た正面玄関。
中庭とプレールーム。見学者が多いですね。
ハウスの中庭、露地のようなアプローチも見えてます。
これもハウスから眺めた中庭。
ハウスの裏口ですが、家に帰るような雰囲気のアプローチとなっています。
とりあえず器はできたけれど、コスト・手続き・人材の確保など、その中身はすべてこれから。
近くチャイルド・ケモ・クリニックとして診療が始まるわけですが、入院の受け入れまでにはまだかなりの時間が必要とか。